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化粧品工場のライン作業というと、「きつい」というイメージが先行しているようです。
実際に、○○○○○知恵袋でも「化粧品のライン作業は大変!」といった書き込みが目立ちます。しかし、食品や医薬品工場などの他の生産ラインと比較しても、化粧品工場のライン作業が特別に「きつい」というわけではありません。
ましてや正社員として化粧品工場への転職を検討している方にとって、メインの仕事は「化粧品ボトルにシールを貼る」「化粧箱の蓋を閉める」といった単純なライン作業ではありません。
あなたが抱く不安と、実際の仕事内容とのギャップを解説します。
この記事でリアルな化粧品工場の日常を、体験してみましょう。
自己紹介させてください!コテツと申します。
化粧品工場で25年以上、中小規模工場を中心に勤務してきました。工場長として培った経験をもとに、業界の魅力や仕事の流れを、伝えていきたいと思っています。
化粧品工場の仕事は、決して難しくありません。テレビCMでおなじみの大手企業だけでなく、日本には中小規模の化粧品工場が多く存在します。経験者・未経験者問わず、活躍できるチャンスがたくさんあります。
化粧品工場の魅力や仕事内容について、詳しく紹介していきます。ぜひお付き合いください!
さぁ、スタートしましょう!
化粧品工場ライン作業、うまくいかないのが普通
正社員でもパートスタッフでも、ライン作業を学ぶことから始めます。未経験ですから、いきなりうまくいくことなとありません。ベテランのパートスタッフに囲まれて、「遅れた!」「ミスした!」と感じて当然です。
稀に「ライン作業は初めてです」などと言っておきながら、すばやく仕事をこなす人がいますが、きっとそれは、ウソつきです。
焦る必要はありません。ましてや、正社員として仕事を考えているなら、重要視すべきは、作業の上手い下手ではありません。
ともかく、化粧品のライン作業がどのような仕事であるか、気になることを、この記事で確認していきましょう。
化粧品工場ライン作業「充填・包装」の仕事内容
化粧品工場では、容器などに「充填」し、その容器を箱などに「包装」するライン作業の担当があり、これらの部門を「充填・包装」と呼びます。
ただし、工場によって名称が異なることも多く、「生産」や「製造」などとも呼ばれています。
化粧品の中身を作る担当や、その中身を容器に充填し、箱に入れる担当など、工場によって作業の分担や、名称が異なるので、求人サイトを見るときは【仕事内容】をよく確認してね。
実際に化粧品工場のライン作業を見たことのない方は、イメージが湧きにくいかと思います。
衛生管理のしっかりとした化粧品工場のyoutubeを引用させてもらいました。
⇧参考動画、ミックコスモチャンネル/【大人の社会見学】たった60秒で分かる!化粧品ができるまで!https://www.youtube.com/watch?v=f01WE-KSnJc
⇩工場全体の仕事についての記事です。工場の流れを確認したい方はご参照ください⬇
化粧水のパッケージから紐解くライン作業
充填・包装のメインはライン作業です。ライン作業がどんな仕事であるか簡単に説明します。
それは、購入した化粧品を見ると、わかりやすいと思います。
仮にあなたが「化粧水」を購入したとします。その化粧水は「箱」に入っていますか?
入っていたとして、その箱に「封印シール」は貼られていますか? 箱の中には化粧水のボトル以外に、使用上の注意事項の説明などで「能書」が入っていますか?
パッケージングの内容である、封印シールや能書などが、そのまま「仕様(作り方)」となり作業内容です。
購入した化粧水のパッケージ内容を確認
- ボトル
- キャップ
- 能書
- 化粧箱
- 封印シール
仮に、このような「仕様」の商品だとします。
パッケージの内容はライン作業の骨格
- 化粧水をボトルに充填
- キャップを閉める
- ボトルにロット番号を打つ
- 化粧箱にボトルと能書を入れる
- 化粧箱に封印シールを貼る
- 化粧箱にロット番号を打つ
- 配送用の段ボールに詰める
例に挙げた化粧水であると、これらがライン作業の骨組みとなります。
使用する機器類の配置、パートの人数や担当をどうするか、これらを決めるのは正社員の仕事です。
品質に関しては「品質管理部」と協議しながら進める必要があります。
実際のライン作業を詳細解説!
資生堂やコーセーのように、大手企業のオートメーション化された工場の存在は一握りです。世に存在する化粧品工場の多くが、機械と人による半自動ラインであり、その基本内容を説明します。
もう一度、仕様内容の例を挙げます。
- 化粧水をボトルに充填
- キャップを閉める
- ボトルにロット番号を打つ
- 化粧箱にボトルと能書を入れる
- 化粧箱に封印シールを貼る
- 化粧箱にロット番号を打つ
- 配送用の段ボールに詰める
先に説明した一連の流れを、もう少し具体的に説明します。
- 化粧水をボトルに充填
・充填機は、ボトルの口にノズルを差し込み、一定量の化粧水を充填する機械です。作業員は、充填機にボトルをセットし充填し、充填後にボトルを秤に乗せます。 - キャップを閉める
・別の担当者が秤に乗ったボトルの内容量に過不足がないか確認し、キャップを仮締めします。ベルトコンベアで送り込んで機械にてキャップをしっかりと締めます。 - ボトルにロット番号を表示
・ベルトコンベアで流れていくボトルに、印字機にて製造日などを示すロット番号を付与します。 - 化粧箱にボトルと能書を入れる
・ボトルを外装となる「化粧箱」に入れ、説明書となる「能書」を入れ、化粧箱の蓋を閉めます。 - 化粧箱に封印シールを貼る
・未使用である証明として、「封印シール」を箱の蓋から側面に貼ります。 - 化粧箱にロット番号を表示
・ベルトコンベアで流れていく化粧箱にも、印字機にてロット番号を付与します。 - 配送用の段ボールに詰める
・配送途中で化粧箱にキズが付かなすように、数個が収まる箱に入れ、その箱を配送用のダンボールに、数箱納めます。
以上が化粧品のライン作業の一連の流れとなります。
もちろん、製品の1例であり、他にクリームやクレンジングなど、仕様の違うものがあります。また同じ化粧水であっても、製品によって仕様内容は変わります。
説明した工程を、あなたの頭の中のラインに乗せて作業してみて下さい。
シミュレーションできるということは、化粧品工場のライン作業を理解できているということですね。
やってみたい仕事があるなら
やってみたい仕事があるとしても、求人サイトの募集要項では《仕事内容》がわかりにくく、「やってみたい」仕事と異なることがあります。
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ライン作業、パート退勤後の正社員の仕事
当然ながら正社員の仕事は、パートスタッフと一緒に終わりません。
当日に生産した製品の書類作成や、翌日に使用する機械準備などの仕事が残っています。
工場の規模や扱う化粧品の種類によって違いはありますが、機械の洗浄や充填量の調整は時間のかかる仕事です。
新商品の生産が翌日に控えていると、充填量や充填スピードなど、過去のデータがないため、機械類の調整は大変です。化粧品の中身が「固い」「柔らかい」「水のように粘性がない」などで、充填機の設定を変える必要があるからです。
うまく調整できないと結構な残業時間になります。
残業はある程度覚悟したほうがよいでしょう。機器類の調整で時間がかかる、生産計画の急な繰り上げなど、残業になる理由は頻繁に発生します。
機械洗浄の落とし穴、ミスを防ぐためのポイント
工場によって洗浄は、専門の人員がいることもありますが、部門内で発生した洗い物は部門内で洗う工場が多いでしょう。
充填・包装もパートが帰ったライン作業の後に翌日の準備をします。使用した機械の洗浄は新人の仕事となる可能性は高いです。
洗浄が必要な機械類は、化粧品の中身を充填する「充填機」や、充填機に送り込む「ポンプ」などです。
充填機は充填量を1g単位で調整することはザラにあります。次のことを気を付けないと、「充填量が安定しない」もしくは「動かなくなる」など、大きなミスに繋がるので気を付けましょう。
機械洗浄で気を付けること
機械洗浄で気を付ける内容の一部です。
注意
- 日焼け止めなど、水をはじく性質のものを充填すると洗浄しにくい。落ちているかしっかり確認する。
- パッキンなどの細かい部品が多いので、洗浄中になくさない。
- 洗浄中に部品を落とすと、確認できないほどの凹みなどが発生する。「機械が組めない」「充填量が合わない」などの問題が起きるので、部品は絶対に落とさない。
特に初心者によくあるミスです。
洗浄中に部品をなくしたら、最悪、仕事が止まります。入社早々であれば、さすがに落ち込む内容です。
でも、新人のうちは誰でもミスはします。大切なのは「やばい!!」と思って隠そうとしないこと。
特に機械関係で発生した問題は早く報告しないと、その後の生産に影響するから気を付けて。
ライン作業で起こるミスは機器類に関するものだけではありません。多くの人がかかわる作業ですから、ヒューマンエラーも起きるわけです。
どのような作業ミスの発生があるのか、確認したい方はご参照ください⇩
ライン作業ってトイレは大丈夫!?
ラインが稼働している作業中は、トイレは、「行きにくい!」と、考えましょう。ライン作業に直接関わらなくとも、管理者の立場であれば、例え5分だけでも現場を離れることはリスクが伴います。
もしもトイレに行っている間に、間違った作業が5分間続いたら、数十本の製品が「不良品」となる可能性があります。
ましてや、多くの人が生産性や品質向上のために作業をしている中で、「トイレに行ってきます」と言うのは、勇気が必要です。
他の部門と比べても、「充填・包装」の部門はラインが稼働している間は、トイレには行きにくいでしょう。
休憩時間にしっかりとトイレを済ませておくことが重要です。
達成感がやりがい!生産数予測の重要性
ライン作業には、パズルのようにラインの構成を考える楽しさと、クイズを解くような達成感があります。
- 充填機の充填スピード
- 人の配置
- 作業が早く終えた時の予測
- 作業が遅れたときの予測
- 品質管理部門と話す検査内容
など、1日のライン作業の構成を練っているわけです。
パートの手を休ませずに生産数も目標を達成した。品質も問題なく1日の作業を終えたのなら、その考えと行動は全て「正解」となります。
中小企業は勿論のこと、機械化された大手企業の生産ラインであっても1分1秒を縮める「生産効率」は求められます。
新人でも、このライン作業のパズルに頭の中で挑戦することはできます。作業後に答え合わせをしながら、自分を磨いていきます。
経験がない方に伝わりにくいと思いますが、「予測通りに仕事が進む」ことは「おもしろい」ことです。実際に経験してみると「やりがい」を感じるはずです。
ライン作業を管理する初心者であっても「成長」と「やりがい」を仕事で実感するための業務のポイントを解説した記事となります。ご興味のある方はご参照ください⇩
ライン作業に向いている!?あなたの得意
趣味としていた得意なことが、仕事に生かせることもありますし、予想していなかった前職で身につけた技術が、役に立つこともあります。
機械が得意な人
機械に強い人は重宝がられます。
ライン作業では複数の機械やベルトコンベアが必要です。仮に充填機が3種類、工場にあるとします。それに比べ充填する容器は製品ごとに違い数百種類あります。
3種類の充填機に数百種類の違う容器を、どれも効率よくキレイに充填は難しいです。
形状によっては、ベルトコンベアの途中で容器が倒れることもあります。
高い生産を求めるなら機械の調整だけでは限界があるのです。
その場合は、ちょっとした「改造」が必要になります。
大手企業であれば、専門の部門が存在しますが、中小規模であると機械メーカーに依頼するか、部門内でやるしかないでしょう。
このちょっとした改造が生産効率をグッと上げることはよくあります。
機械が得意でちょっとした改造ができる人であれば、どこの工場でも採用したい人材です。
ライン作業に向かない人
仕事ですから、向き不向きはあると思います。
どうしても苦手であれば、仕方ありませんが、克服する人もいることはお伝えしておきます。
コミュニケーションが苦手
ライン作業がメインとなる「充填・包装」部門は他部門とは違う人員構成です。
正社員の何倍もパートが在籍しています。人数が多いのでコミュニケーションを取らないと伝えたいことも伝わりません。
ましてやパートはいつも正社員の指示を待っています。「手が足りない時」「問題が発生した時」「手が空いた時」など、日頃からコミュニケーションが取れていないと、円滑に現場を動かすのは難しいでしょう。
「黙々と仕事は進めるが、コミュニケーションを取るのは嫌い!!」そんな方には向いてないかもしれません。
かといって、特別にコミュニケーション能力が高い必要もないでしょう。
例えば化粧品工場の「生産管理」の仕事では、自社の営業や注文を受ける取引先などと連絡を取ることがあります。
それらの仕事に比べれば社内的なコミュニケーションは難しいものではないはずです。
それでも、「コミュニケーションは苦手!」という方は「充填・包装」の仕事は「きつい」のかもしれません。
ネットの書き込みの真相!合う合わないの判断
化粧品工場のライン作業は、決して楽な仕事ではありません。しかし、
- 同じ目標を持つ仲間と協力し、問題を解決
- 品質向上、目標達成に貢献する
- 難しい仕事ほど、やりがいも大きい
「きつい」という声もありますが、ネットの情報だけで諦めてしまうのは、もったいない気がします。化粧品工場で働くことは、あなたにとってかけがえのない経験になるかもしれません。
化粧品工場で夢を叶えた、未経験転職から活躍する女性を紹介した記事があります。ぜひ参考としてください。
仲間と共にやりがいのあるライン作業の仕事に励む新人の1日を、追跡する記事があります。自分が働いている状況を想像しながら読んでみてください⇩
もしもライン作業に向かないと考えるのであれば、それは化粧品工場の仕事全体をあきらめることを意味するわけではありません。他の業務で化粧品工場の仕事を考えてみて下さい。
化粧品の中身を作る仕事を説明しています。ライン作業よりも、化粧品の中身を作る仕事に興味がある方はご参照ください⇩
自分に合ってる化粧品工場の仕事
化粧品工場で働くことは決してハードルの高いことではありません。
大手メーカーである資生堂やコーセーなどでは、経験や学歴が求められることは多いでしょう。
しかし、中小規模の受託メーカーなど、日本には数千もの化粧品工場が存在します。正社員として働く機会も幅広く存在しています。
化粧品工場の仕事はあなたに合っているかもしれません。未経験からの転職で活躍している人など、いくらでもいます。ぜひ、チャレンジしてください!
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最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。